株式会社ビズリーチは2026年7月30日、「AI時代のキャリア観」に関する調査の結果を発表しました。調査期間は2026年6月18日~22日で、年収800万円以上かつ業務で生成AIを週1日以上利用するビジネスパーソン1,007人から回答を得ています。調査結果から、生成AIの普及を受けてスキルセットやキャリアプランの見直しを必要と考える人が多いことに加え、年収帯によってAI時代に重視するキャリア戦略や生成AIの活用実態に違いがあることが明らかになりました。

■約7割が「スキルセットの見直しが必要」と回答
生成AIの活用が企業で急速に広がるなか、人事には従業員のリスキリングやキャリア自律をどのように支援していくかが問われています。AIによって代替される業務が増える一方で、人間ならではの価値をどう高めていくかも重要なテーマです。では、生成AIを日常的に利用するビジネスパーソンは、自身のキャリアやスキルをどのように捉えているのでしょうか。
年収800万円以上かつ、業務で生成AIを週1回以上利用するビジネスパーソンへの調査によると、70.2%が「AI時代に向けてスキルセットを変える必要がある」と回答しました。

また、生成AIの普及を受けて79.2%が「キャリアプランを見直した、または見直す必要性を感じている」と回答しています。すでにキャリアプランを見直した割合は年収が高い層ほど高く、特に年収1,500万円以上では「全体的に見直した」とする割合が、年収800万~1,000万円未満層の5倍超となりました。

■約45%が生成AIにキャリア相談
「スキルセットの見直しが必要」と感じるビジネスパーソンが多い一方で、「身近にキャリア相談できる相手がいる」と回答した人は約5割にとどまったとのことです。
また、44.7%が「生成AIに転職やキャリアについて相談した経験がある」と回答しています。年収が高い層ほど利用頻度が高く、年収1,500万円以上では「頻繁に相談する」と回答した割合が、年収800万~1,000万円未満層の約5倍となりました。
なお、“生成AIへの相談”が“人への相談”より優れていると感じた点では、「客観的なアドバイスが得られる」(46%)、「本音を話しやすい」(24%)などが上位に挙がり、約7割が何らかの優位性を感じていたということです。

■半数超が「生成AIによるスキル代替」を実感
「自身の専門性や強みが生成AIによって代替・侵食されている」と感じる人の割合は、56.8%に達しました。なお、「強く代替を感じる」と回答した割合は年収1,500万円以上で特に高く、高年収層ほど危機感を抱いている傾向が見られています。
そこで、「代替が進んでいる、あるいは今後進むと考えられている専門スキル」を尋ねたところ、「データ分析・予測モデリング」(55.1%)、「翻訳・言語処理」(50.5%)、「専門的な文書作成・執筆」(47.1%)が上位となりました。
また、「汎用スキル」では「情報の収集・整理・集計」(58.5%)、「定型的な文章作成・ドキュメンテーション」(58.1%)、「計画立案・タスク管理」(49.4%)などが多く挙げられ、専門業務だけでなく日常業務にもAIの影響が及ぶと認識されていることが分かりました。

本調査から、生成AIを日常的に活用するビジネスパーソンの多くが、AI時代を見据えてスキルやキャリアの見直しを進めている実態が明らかとなりました。特に高年収層では、キャリアプランの見直しや生成AIの活用が先行しており、AIとの共存を前提としたキャリア形成が進んでいるようです。
企業の人材育成においても、AI活用スキルの習得だけでなく、課題発見力や対人関係構築力など、人間ならではの能力をどう伸ばすかが今後の重要なテーマとなりそうです。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP710611_Q6A730C2000000/