中途採用を担当することになった方や中途採用を見直すことになった担当者の方々へ、いくつかの採用手法についてご紹介していく第2弾です。
今回は、「経験豊富な人材を採用する方法」について、考察したいと思います。
経験豊富な人材の場合、その能力・経験にはいくつかの要素が含まれることでしょう。
満たす要素が多ければ多いほど、人材の希少性は高まります。その希少性に合わせて採用手法を組み合わせる必要があります。

■人材紹介

真っ先に候補に挙がるのは、やはり人材紹介会社ですね。
超大手の紹介会社から専門分野に特化した紹介会社まで多数あります。
大抵は自社で、すでにお付き合いのある人材紹介会社があるでしょう。求める経験・能力・人物像などを自社の担当者やキャリアコンサルタントへ依頼し、条件に合致した候補者を紹介してくれる仕組みですね。

【メリット】
◆初期費用なし&ターゲット層を集める労力を節約できる
 人材紹介は、ほぼ成功報酬型ゆえ採用が成功するまでは費用が発生しない。また候補者を探す、会社・仕事内容をある程度理解する、選考時のコンタクトなどを担ってくれます。
◆求める経験・スキルを持った候補者と会える可能性が高い
 キャリアコンサルタント等が、自社の条件に合致する人材を探してくれることに加えて、候補者へ直に企業や仕事の魅力を伝えてくれるため、理解度と志望度が高まって会えることが期待できます。

【デメリット】
◆費用が高い
 採用が決まると紹介料が発生します。
相場は入社対象者の年収に対し、30%~35%程の金額です。
一人当たりの採用コストだけを他手法と比較すると割高です。

【ポイント】
担当者と密なコミュニケーションが必須となります。
担当者も大きな売り上げが期待できるとか採用のリアクションが良いとか、自分たちにとってのメリットが優先されます。
なるべく先方の要望も確認しながら、自社の求める経験・スキルや、給与などの待遇面の見直しも必要になるでしょう。
担当者とは、そうした協議をスムーズに行える関係性を築いておきましょう。

■スカウトサービス

次に、スカウトサービスですね。
自社にマッチした人材に直接アプローチする採用手法です。
「スカウト型の転職サイト」を活用してスカウトメールを送る方法と、Facebook、LinkedInなどといった自社のSNSからメッセージを送る方法があります。
ベンチャーやIT企業などは、積極的に活用しています。

【メリット】
◆転職潜在層へアプローチできる
 SNSはもちろん、スカウト型転職サイトを利用する場合も同様です。スカウト型転職サイトは、今すぐの転職と考えていない人材も多く登録しています。
またスキルや志向も明確に記載されている場合もありますので、自社に合う対象者へ直接アプローチが可能となります。
◆知名度がなくても共感を得られれば採用へつながる
 SNSを活用するなら採用メンバーだけでなく、社員や経営陣も巻き込んだネットワークをつくり、企業ブランディングを行なうなどの工夫で共感を得ることで、採用力を高めることができます。

【デメリット】
◆手間や時間がかかる
 直接、対象者へアプローチするため、すべて個別対応となります。そのため慣れるまでは、みなさんの負担は増えますね。
◆会社の支援体制と担当者のノウハウが必要
 スカウトの場合、通常は書類選考などせず、まずはお会いすることが前提です。たとえオンラインであっても配属部署の方でないと、候補者のスキルなど確認できない場合が出てきます。
自社内の認知と支援体制は必須ですね。

【ポイント】
SNSの活用などを自社で運用する場合は、ノウハウの蓄積が必要です。
他社の成功事例も確認して、スカウト型転職サイト会社と協議してから、しっかり準備をしてチャレンジしてみましょう。
また各スカウト型転職サイトの特長も把握しておきましょう。
必要な経験・スキルに合わせて利用することで、求める人材を探しやすくなるはずです。
さらにスカウトの書き方にも、工夫が必要です。候補者の経験やスキルに合わせた、かつWelcomeの姿勢で文章を作成することが求められますね。