近年、多くの企業が人材確保に苦戦しています。
今回は採用戦略の一つとなる「エンプロイヤーブランディング」についてご説明を致します。
■エンプロイヤーブランディング
エンプロイヤーブランディングとはemployer=雇用者としてのブランディングのことです。
働く人にとって魅力的な企業とするための取組全般を指します。エンプロイヤーブランディングは、単に採用のためだけではなく、企業の競争力を高める重要な戦略です。
企業が明確な価値観やビジョンを持ち、それを発信することで共感してくれる人材を集めやすくなります。また社員のモチベーションの向上・維持や離職率の低下にもつながります。
■採用ブランディングとの違い
採用ブランディングとは採用分野に特化をして行うブランディングです。エンプロイヤーブランディングは雇用者全体で考えているので社内の環境改善を含めた考えであるのが特徴です。
エンプロイヤーブランディングの中に採用ブランディングは含まれています。
■なぜエンプロイヤーブランディングが必要なのか?
・採用市場の競争激化
労働人口が減少する半面、企業内では仕事の高度化が進み、優秀な人材を採用するために競争は激化しています。人材不足とは言え「誰でも採用します」というわけにはいかないですよね。自社に必要な人材を確保するために求職者に魅力をアピールする必要があります。
・採用活動のSNS化
今や情報収集はSNSや口コミサイトなどではないでしょうか。
「入社するまで企業の職場環境はわからない」という時代は終わりました。
ネットにリアルな情報が溢れており、求職者はそれらを参考にして判断をしているので、小手先の採用広報で外から見える部分を取り繕っても現実と乖離していればすぐに見抜かれてしまいます。そこで、働く場としての魅力を実際に高め、それを発信するというエンプロイヤーブランディングの手法が必要となります。
■エンプロイヤーブランディング成功の要素
◎明確のビジョン・ミッション・企業文化
何を目指し、社会にどう貢献するのかを言語化しそれを全社員と共有することが必要です。
「自社の良いところは何か」「働いていてうれしいと感じる時はいつか」「なぜこの会社で働き続けるのか」
と社員にアンケートを実施することで企業文化が見えてきます。
◎ターゲット設定と競合分析
「どのような人材と一緒に働きたいのか」を定義づけしていきます。
【スキル】【パーソナリティ】【キャリア志向】【働き方の希望】
また競合分析することで差別化のポイントも見えてきます。
◎効果的な発信活動
WEBサイトやSNS、口コミサイト、求人広告などを活用して企業の魅力を発信し続けて行きましょう。しかし、その場しのぎでよい情報だけをアピールしようとしても、求職者は色々な情報を入手できるので見極められてしまいます。さらに社員からも信用を失ってしまうリスクもあるので誠実な姿勢で発信することが大切です。
■まとめ
エンプロイヤーブランディングに成功すれば、自社の採用力は大きく向上し、社員の定着率も高まります。効果が出るまでに時間のかかるものでもあるので、自社のありたい姿と現状を適切に把握し、粘り強く取り組むことが必要となります。