日本商工会議所と東京商工会議所は11月20日、「2025年度の中小企業の賃上げに関する調査」の集計結果を公表しました。
調査によると、2025年度に賃上げを実施済みまたは実施予定と回答した企業は全体で8割を超えました。従業員20人以下の小規模企業でも7割を超え、6月実施の前回調査と比較して大幅に上昇しています。正社員の賃上げ額は全体で1万3183円、賃上げ率は4.73%でした。

■2025年度の賃上げ実施状況、前回調査から大幅上昇
調査結果によると、2025年度に「賃上げを実施済」または「賃上げを実施予定」と回答した企業は、全体で合計82.0%に達しました。
内訳は「賃上げを実施済」が64.5%、「賃上げを実施予定」が17.5%。従業員20人以下の小規模企業では、「賃上げを実施済」が52.3%、「賃上げを実施予定」が22.0%で、合計74.3%でした。
6月4日に公表した「中小企業の賃金改定に関する調査」と比較すると、「賃上げを実施済」と「賃上げを実施予定」を合わせた割合は、全体で12.4ポイント上昇。小規模企業では16.6ポイントの大幅な上昇を記録しています。

正社員の賃上げ額(月給)、全体で1万3183円 正社員の賃上げ額と賃上げ率についての調査では、「賃上げを実施済」または「賃上げを見送る」と回答した企業を対象に、2025年3月と9月の賃金を集計しました。
加重平均で算出した結果、全体では「賃上げ額(月給)」が1万3183円、「賃上げ率」が4.73%。従業員規模別に見ると、従業員300人以下の企業では賃上げ額が1万2467円、賃上げ率が4.47%。従業員20人以下の小規模企業では賃上げ額が1万1089円、賃上げ率が4.02%でした。
企業規模が小さくなるにつれて賃上げ額は減少する傾向が見られるものの、小規模企業でも4%を超える賃上げ率を実現しています。

同調査は全国47都道府県を対象に、10月17日から10月31日にかけて実施。調査対象は、6月4日に公表した「中小企業の賃金改定に関する調査」の企業で、1247社から有効回答を得た。詳細は日本商工会議所の公式リリースで確認できます。
https://www.jcci.or.jp/news/research/2025/1120120003.html