読みにくい文章は、ビジネス文章がダントツで多いです。遠まわしで、小難しくて、英語交じりで、カタカナも多く、何より長い。我慢して読むうちに、同様の文章を書かないと何か落ち着かなくなってしまう。
人はビジネスにおいて、文章を書きすぎてしますのです。ビジネスは真剣勝負の場です。得意先や上司に向けた文章であればなおさら丁寧に言葉を紡いでいきますよね。必然的に冗長となります。

でもそのままだと「読み手」の視点がゼロ。相手へ真意が伝わらない文章になりかねません。「結論は?」「その理由は?」「何が要因?」など、「読み手」から質問を受けて、再回答といったシーンを経験されている方も多いと思います。

思っていることをそのまま書くことは誰でもできます。でも、そこから必要な内容を取捨選択するのが難しいのです。書いた後、いかにスリムな文章に書き直せるかで、あなたへの信頼度は変わるはずです。

◆ダメな書類

これまで新卒採用、中途採用含め、数万人の履歴書などを拝見してきました。特に転職活動では、ご提出いただく履歴書・職務経歴書が第1関門突破のカギになっています。
求人サイトからの応募でも、のちに履歴書・職務経歴書の提出を求められるケースが多く、企業の採用情報ページからの応募も、そのほとんどが書類のアップロードを求められます。

受け取った人事が困った事例をいくつかご紹介します。
・手書き文字が難解で、読めない
・証明写真サイズに画像加工した書類
・斜め撮り画像で文字が読めない
・何らかのマニュアル
・志望動機欄を切り取った履歴書
・他社への志望動機を記載・募集職種とは関係ない職種への応募動機を記載

これらは、応募する前にワンチェックで解決できるのですが、それができていない。
お客様へのメールや見積書、請求書を提出する際などは、ミスのないように、しっかり確認されているのに、ご自身のことだとやらない。これでは求める結果は得られないですよね、もったいない。
このような事例は結構ありますので、ご注意ください。

応募毎に、履歴書・職務経歴書を書き直している方はどれぐらいいるのでしょうか。志望動機は、その都度、書き直している方が大半でしょう。
「御社に貢献できる・・・」みたいに、どこでも通用する内容で手間を省かれている方は、相手にも見透かされているので、改めましょう。

あとは冒頭でも触れましたビジネス文章感満載のケースです。
確かにこれらの書類は、自己PRツールですので、丁寧に書いてしまいます。特に職務経歴書は、冗長になりがちです。ご自身の経験を長文で丁寧に書かれても、結局「何が得意?」なのか読み取れないのです。
所属部署と業務概要だけをシンプルに記載されても困りますが、長文はもっと困ります。
現在、転職市場は求人数が大幅に減少していますが、求職者数はさほど減少しておりません。当然、人気企業や大手企業へは応募が集中します。その競争の中で、第1関門を突破するのも厳しい状況です。
また採用する側も多くの応募と向き合うため、人事や担当部門の方々が限られた時間の中で書類を精査していきます。どんなに真剣に丹念に書いた文章でも、読みにくければ即不合格になりかねません。

【読んでもらうためにシンプルに書く】
・具体的な業務内容
・ご自身の役割
・活かせるセールスポイント
・転職理由

どんなお仕事をしていても、書くスキルは絶対に必要なものです。ビジネスシーンの多くは、何かを書いています。「読みにくくて当たり前のビジネス文章」から「読みやすい文章」が書けるようになるだけで、あなたの武器になるはずです。

文章のスリム化を実践していきましょう。