最近、部下が元気なく、あまりやる気も感じられない。
ミスも多くなり、仕事もつらそうだ。
じゃあ、どう指導していけばいいのだろう。
自分自身も忙しく、部下のことへ気を回している余裕があまりない……。
こんな状況下、どのようにマネジメントしたらいいのか。
そういう悩みをお持ちのリーダーの方々もいらっしゃるでしょう。

マネジメント重視

今は、部下を持つと責任も重く感じる時代になりました。
経験を積み、成果・実績を出し続けると、好むと好まざるとにかかわらず、管理職になる、させられる会社もあるのは事実です。
中間管理職という、上からも下からも、いわゆる板挟み状態になることで苦労が増えます。
加えて社員時代に研鑽したテクニックや能力を発揮する仕事に専念できるわけではなく、むしろマネジメントが重視されるようになります。
自分の出した成果で評価されてきたポジションから、ある日、若手も成果が出せるように指導する立場になっていくわけです。
ただでさえ大変な管理職です。おまけに「メンタルも含めて面倒をみる」と言われて戸惑う人もいるでしょう。
ですが、管理職の仕事の多くはマネジメントだと割り切ること。そしてマネジメントは、会社の中で起こることと割り切ることです。
そのうえで、会社内で見えている「行動」のみにフォーカスしていけばいいのです。当然ですが、部下の心の中まで知る必要はありません。また知りたくてもできません。
メンタルの専門家でも簡単ではないようなことを、管理職が通常の職務の傍らでやれるわけもないのです。
管理職に限らず、職場で起こるメンタル不調を恐れるあまり、他人の心の問題にまで入り込もうとする人がいます。
ですが、それは困難なことであり、やらなくていいことなのです。

部下の行動のみに注視

実際の「行動」のみで部下を評価すること。
マネジメントにおいてはこれが基本ですね。ストレスは期待しているものと、出てきたものにずれがあるとき、人はストレスを感じます。
ストレスを生む状況=職場の温度設定もそう。寒いという人も暑いという人もどちらもストレスになっていきます。
ストレスは、ずれによって発生してしまうので、原因を見つけて潰していっても簡単に解決する問題ではありません。
会社でのメンタル不調の主な原因は「不平等感」「孤立感」「裁量権の不在」であると言われています。
これらをゼロにすることは、とても難しいですよね。ですから目指すのはそこではなく、それを感じて苦しんでいる人をいち早く発見して、個々にあった「対処」をすることだと思います。
多くの人はメンタルやモチベーション低下の問題を考えるとき、まず「原因」を突き止めようとしてしまいがちです。
しかし会社が原因になっているもの、家庭が原因となっているものなどストレスの原因は様々ですからすべてを追求することは非常に難しいです。
また原因を探ったからと言って解決できるとは限らないため、ただ原因を見つければよいというものではありません。
それに合った解決策があるのならばいいですが、そう簡単にはいかないのです。しかし、ストレスを受けた結果として現れるものには、遅刻や欠勤など目に見える行動が現れてきます。
ポイントはそれらの結果に対する対処を考えることです。
部下がモチベーションを持ち、自分らしく、パフォーマンスを発揮できるようにすることができれば、上司である貴方自身の仕事も楽になり、チームの業績も上がっていくはずです。
まずは「行動」に注目した管理体制をしっかり作り上げることを目指してください。

<まとめ(上)>

・上司は、部下の心情を理解しようとするよりも仕事に関する行動をマネジメントすることに専念する
・ストレスは期待と現実のずれによって起きる。ストレスの原因をすべて解消することは不可能
・会社でのメンタル不調は「不平等感」「孤立感」「裁量権の不在」によって起きやすいと言える
・部下の元気がない原因を考えても意味がない。目に見える結果から対処を考えることが重要

以上、お読みいただき、ありがとうございました。次回へ続きます。