みなさんが新人のころに学んだことの中で記憶に残っていることや役に立っていること、今まさに職種や会社が変わっても通用し、また組織内での立場が上になっても通用していることをあえて考えていきたいと思います。
これから新社会人になる方には、自分が仕事をしていくうえで、基礎的なところから理解できるようになるでしょう。
仕事力=スキルは4つの分野に分けられます。
まずひとつ目は「話す技術」です。コミュニケーション面での必須スキルですね。事実(ファクト)で話す、素直に話す、結論から話すなど、当たり前に多く語られていますが、それだけ重要なスキルです。
次は「思考術」。論理思考や仮設思考、問題解決といった思考するスキルのことです。基礎的な考え方とそれをどのように様々な仕事や場面で生かしていくのか、ということについて触れてみたいと思います。
三つ目は「デスクワーク術」。議事録の書き方、資料の作り方、効率の良い勉強方法、プロジェクトの課題管理についてなどを見直してみましょう。
そして最後は「ビジネスマインド」についてまとめてみたいと思います。

今回は、第1弾として「話す技術」について、あらためて整理していきましょう。

■結論から話す

みなさん一度は聞いたことがあると思いますが、あらためてここで書くのは「ビジネス・コミュニケーションの鉄則」だからです。
プライベートや学生時代は、あった出来事を順番に話すのが普通でした。いわゆる起承転結ですね。
前提から順番に話始め、徐々に展開していき、最後に結論に至ります。火曜サスペンス劇場型ですね。最後に犯人がわかります。
でもビジネスシーンでは「結論から」のフォーマットを常に意識するように徹底していることが最重要です。
報告書、通常業務でのメール、メモ書き、上司とのやり取りなどすべて結論から言うことが徹底されています。
理由は、物事がシンプルに明確になるということです。それにより短い時間で相手に必要なことを伝えることができます。
結論から話す方法論としては、「結論」「理由付け」「具体例」「再度、結論で締める」ということを繰り返し意識してできるようにしましょう。
普段話すときも、質問に答えるときも、これはスタイルなので意識してやってみましょう。
これをせず、順番に説明しようとすると「一旦、頭を整理してから話して」と言われ、一瞬ムッとしちゃいますから要注意(特に表情豊かな人!)。
その場合の対処方法は、聞かれてすぐに答えようとせず、1,2分間考える時間をもらってから黙って考え、頭の中を整理し、結論から話すようにしていきましょう。
そして結論が最も意識されるべき場面は会議です。会議は「どういう結論を出すべきかというゴールイメージ」が必要です。
会議の最後で何が決まっていればOKなのか。そのテーマこそが会議のアジェンダになります。
どういう結論が得たいのか?そのためにはどういう段取りをするのが良いのか?どういう風にそれを決めていくのか?といったように、結論から逆算して会議の運営をします。
これを意識するだけで会議の方向性がぶれにくくなりますね。

今回はここまでです。来週、「学ぶ仕事力〈その1〉-話す技術(後編)-へ続きます。