人事のみなさんが常に抱える課題について考えてみたいと思います。
採用業務を担っている以上、選考途中の辞退や内定辞退は、避けて通れないですよね。
その理由の多くは、他社内定や年収等の待遇条件不一致によるものです。
当たり前ですが、よりスキルを求められる職種やハイクラスのポジションでは、その傾向がさらに強くなります。
自社の条件では対応できないことを嘆いても仕方ありません。
でも少しでも辞退を防止できる行動があるならば、取り入れてみるのも良いかもしれません。
例えば、面接時のヒアリングです。
候補者は、自ら進んで他社との併願状況を話してくれることはありませんよね。でも面接官から聞いてみることで、候補者は話しやすくなるものです。
多くの企業で実施されているとは思いますが、この確認により、候補者が意思決定するタイミングをしっかり把握し、次回の選考日程を柔軟に対応することで、辞退を防ぎ、先手を取ることもできます。
もちろん先手がすべではありませんが、候補者のために柔軟に対応する姿勢は、こちらの熱意も伝わりやすく有利になる可能性はありますね。
またこの併願状況以外では、処遇や待遇についても候補者からは切り出しにくいテーマです。
でも転職にはすごく重要なポイントです。
候補者も良く見られたい意識がありますから、「結局、お金か!」と直接的には思われたくないものです。
必然、自らは切り出しにくいですよね。
ですから必ず面接官から質問しなければなりません。
募集内容に記載しているからといって、条件に合意していると思ってはいけません。希望年収や処遇についてなど、あらためて候補者の意向を確認することで、条件のミスマッチは防ぐことができます。
もちろん入社時の年収では、本人希望と差があったとしても、数年後には実績を積んで、希望を上回るケースもありますよね。
候補者およびご家族のお考えもありますが、少なくとも入社後、長期に働くことを前提とした各条件のすり合わせを行うことが、辞退につながるミスマッチを防ぐ対策となるでしょう。
あらためて、辞退防止策について、以下に取りまとめて記載いたします。

◎選考途中の辞退
 1.1次面接合格となる
 2.次回、最終面接は役員の都合で10日後に設定
 3.候補者より他社内定による辞退連絡が入る
■防止策
他社の選考状況と選考スケジュールを確認し、最終面接を早める調整が必要です。

◎内定辞退①
 1.内定通知
 2.内定通知後、内定者からの連絡がない
 3.第1志望の他社よりの選考結果待ちで回答を保留しているとの事
 4.回答期限が来て結局、内定辞退
■防止策
志望順位など候補者の周りの意見などもあり、変動するケースが多い。適宜、懸念点などを確認しながらのフォローが必要です。
回答期限の再調整も協議してみましょう。

◎内定辞退②
 1.内定通知
 2.内定通知後、内定者からの連絡がない
 3.確認すると、希望年収が当初の話と異なりアップしており、
   採用条件と乖離していた
 4.2、3年後の年収モデルケースなどを提示したが、内定辞退 
■防止策
転職活動や条件面を家族で話し合っていないケースで良く見られます。選考段階で、できるだけ転職への家族同意の有無や条件面のすり合わせができることが望ましいです。

以上、選考辞退、内定辞退を防ぐための注意点について、振り返ってみました。みなさんのご参考になれば幸いです。