プレゼン面接は、候補者の地力が現れやすいと言われます。
「プレゼン面接」とは文字通り、候補者にテーマを伝えて面接官の前でプレゼンをしてもらい、その内容や立ち振る舞いなどから総合的に評価する面接手法です。
一般的な面接では、面接官が主導権を握り、質疑応答を行いますが、マニュアル通りの受け答えをする候補者は変わらず一定数いらっしゃる。企業はミスマッチ防止のためにも、できるだけ素の候補者を探りたい。
その一つとして活用されている「プレゼン面接」。
「変化のなかでも対応力、実行力を発揮できる人材を採用したい」というニーズに応える面接手法として広まっています。
プレゼンの形式は自由。つまり、候補者は自分なりに工夫してプレゼンを行わなければなりません。
そのため、質疑応答ベースの面接対策では十分な対応を取るのは難しく、候補者の地力が現れやすいとされています。一般的な面接と比べて、長い時間主体的に話さなくてはならないぶん、人柄や論理的思考力、表現力をより深く推し量れるのがメリットです。

■具体的な「プレゼン面接」の実施方法
まずは、候補者にテーマを伝えます。事前に伝えたうえで面接に臨んでもらうケースもあれば、面接当日に伝えるケースもあります。
事前にテーマを伝える場合は、パワーポイントなどのスライド資料を用意してくる候補者がいるため、スライドを映し出せる環境の有無も伝えておきましょう。このような環境がない場合は、スライド資料を印刷して配布するかどうかも伝えます。

テーマは「自己PR」「これまでの職務経験で学んだこと」「この会社で挑戦したいこと」などが一般的です。
企画職や提案営業といった、プレゼンテーションを行う機会が多い職種の採用なら、その職種のケーススタディーをテーマにするのも手。
たとえば「顧客に自社製品を導入してもらうための提案内容をプレゼンテーションしてください」という具合に、実務内容に沿ったテーマを与えます。
プレゼンテーションを行う時間設定は、3~10分程度とさまざまです。
そのあとに、面接官からの質問に答えてもらう時間を15分程度設けます。

「プレゼンテーション面接」での候補者の主な見極めポイントは、以下の通りです。
1.論理的思考力
  プレゼン内容に論理的な矛盾がなく、
  客観的かつ具体的な内容になっているか
2.表現力、人間性
  声の大きさや話すスピード、目線、身振り手振り等、
  話し方に安定感や信頼性が感じられるか
  相手に伝えることを意識できているか
3.企画力、企画の実現性

■提案内容の精査、実行の現実性、自社の事情を踏まえたような提案となっているか
そもそもプレゼンの目的は、「限られた時間の中で情報をわかりやすく伝え、
理解させ、動機づけさせること」です。
そのためには、内容が論理的でなければ相手に伝わりませんし、声が小さかったり、早口で聞き取りづらかったりしても伝わりません。
相手の目を見て話しているかどうかや、身ぶり手ぶりなど立ちふるまいによっても、伝わり方は変わってくるでしょう。ただし、プレゼンの上手・下手だけで評価を決めないよう注意してください。
なぜなら、プレゼンには「慣れ」が大きく影響するからです。
特に中途採用では、過去の職務経験上、プレゼン慣れしている候補者と、そうでない候補者でアドバンテージが生じてしまいます。純粋にプレゼンスキルを測りたい場合は例外ですが、上手・下手ばかりに気をとられないようにしましょう。

まとめ【プレゼンテーション面接のメリット】

「プレゼンテーション面接」実施のメリットは以下の通りです。
■マニュアル通りの受け答えができないので、候補者の地力を見極められる
■プレゼンテーションを通して、論理的思考力、表現力、人間性、企画力、
 企画の実現性などをより深く見ることができる
■テーマ設定をケーススタディーにすれば、
 より実務に近い観点で評価を行える

プレゼン面接は最初に提示される情報以外に追加の情報はなく、候補者の経験や知識だけを頼りに課題解決策を考えます。情報が限定されるぶん、論理的思考力や企画力などが課題解決策の内容にはっきりと現れます。
貴社の状況や募集ポジションに合わせて、利用を検討してみてください。