「入社したら思っていたのと違ったと早期退職」
「期待していたのに入社後活躍してくれない」
というお悩みはないでしょうか?
採用後のミスマッチを防ぐために「RJP(アールジェイピー)理論」を導入するのがおすすめです。

◆RJP(アールジェイピー)理論とは?

RJPとはRealistic Job Preview の略で、「現実的な仕事情報の事前開示」と訳されています。
会社の良い点だけでなく、自社の課題や仕事の厳しさといったネガティブな情報の開示を入社前に行なうことで「入社後のミスマッチを減らす」取り組みです。

2023年7月の有効求人倍率は「1.29倍」です。1人の求職者に対して1.29の求人があるということです。つまり、求職者が求人を選べる立場にあり、企業の採用競争は激しくなっている状態です。そのため「募集を出しても採用が決まらない」と悩む企業は少なくありません。

そこでネガティブ情報まで伝えたら余計に採用が出来なくなってしまう、、、と思われますが、ミスマッチはいままで採用や教育にかけてきた時間・パワー・費用が無駄になってしまいます。
「長く働けるか」「頑張れるか」をお互いに確認したうえで活躍してくれる人材を採用したほうがいいですね。

◆RJP理論の4つの効果

① ワクチン効果

ワクチンとは、免疫をつけることですよね。その免疫は会社のリアルをそのまま伝えることで、入社後の失望感を緩和させることです。あらかじめ免疫をつけ、ショックから自分を守り課題に立ち向かう力をつけます。

たとえば、新規開拓がメインの営業職の場合。「アポイント取得の大変さ」「人から断られるつらさ」など、入社後に壁になりそうな内容を事前に説明します。可能であれば実際に体験などを行なうことで、入社後のイメージギャップを防ぎます。ワクチンのように事前にネガティブな点も伝えておくことで、入社後のミスマッチを削減する効果が期待できます。

② スクリーニング効果

スクリーニング効果とは、ネガティブな情報も含め理解したうえで、求職者が自分に合う企業を選択できるという、その名の通り「スクリーニング」ができる効果です。
セルフスクリーニング効果とも言われます。

ここで重要なのが、自己選択をするという点です。「入社したら大変なこともあるかもしれないけれど、頑張ってみよう」と気持ちが固まりますので、責任感を持って安定的に働けるようになります。
逆に、「この会社はいやだな」と判断した求職者は自ら離脱するので、入社後のミスマッチが起こりにくくなる効果もあります。

③ コミットメント効果

コミットメント効果とは、企業がネガティブな情報を開示することで、求職者が企業の「誠実さ」を感じ、愛着心を高める効果です。愛着が生まれると、「この会社に貢献したい」という熱意や帰属意識も生まれ、従業員エンゲージメントが高まります。

④ 役割明確化効果

採用段階で、どんな役割でどんな仕事を担うか、期待されることがどんなことかなどをありのままに明確することです。
役割をはっきりさせることで、入社後のギャップを防ぎ早期活躍やモチベーションの向上が期待できます。

RJP理論の導入にあたってよい点ばかりではなく注意点も必要です。
「受入部署との連携を強めること」です。
というのも採用担当者と受入部署で、仕事内容や仕事のやりがい・厳しさなどへの認識が異なる場合があるためです。詳細なヒアリングをこまめに行ない、常に最新の情報を得るように注意しましょう。またポジティブもネガティブもそれぞれの情報の説明は、バランス良く行なうことが大切です。入社後のミスマッチを減らすためにも、正しい情報を、正しい割合で伝えることを心がけましょう。