ワークエンゲージメントをご存じでしょうか?
ワークエンゲージメントとは「従業員が仕事に対してポジティブな感情を持ち、充実している状態」を指します。企業がワークエンゲージメントの向上に取り組むことで、離職率の低下や生産性の向上などの効果が期待できます。

少子高齢化による人材不足が進むと、事業運営に支障をきたすことが懸念されています。状況を改善するポイントは、社員一人ひとりの「働きがい」です。「働きがい」をもって仕事に取り組むことで、社員は主体的に考え行動し始めるでしょう。「働きがい」はわかるけど、なんとなく漠然としています。そこで厚生労働省が注目しているのがワークエンゲージメントです。測定方法も確立しており、自社の状態に合わせ活用しやすいのも特徴といえます。

ワークエンゲージメントは「活力(Vigor)」「熱意(Dedication)」「没頭(Absorption)」の3つの要素で構成されています。

☑活力(Vigor)
活力は、仕事に対してのエネルギーが高く、心理的な回復力、そして仕事への努力、困難な課題にも積極的に解決に取り組める状態に寄与します。仕事から活力を得て生き生きしており、ストレスを感じることなく仕事を楽しめている状態です。

☑熱意(Dedication)
熱意とは、仕事にやりがいを感じており、積極的に取り組もうとすることで、新しい商品の開発やサービスなどを生み出したりすることができる状態です。常に仕事に対しての努力を継続することができ、新たな知識をインプットできるようになります。

☑没頭(Absorption)
没頭は、仕事に取り組んでいる際に幸福感や、時間が早く進むような感覚を得る状態のことを言います。没頭している状態では仕事の効率が上昇し、業務の品質や速度の向上、そして人為的なミスの削減にもつながります。

ワークエンゲージメントの測定方法はこの3つの要素の内容を質問してスコア化する方法です。

◆ワークエンゲージメントを高める方法
ではどのようにワークエージェントを高めていけばいいのでしょうか?
◎主体性が高い人を採用する
→これが採用業務に直結ですね。「主体的に仕事に取り組む」ことができるような人の採用に力を入れることがより重要ではないかと考えられます。

面接でぜひ「主体性」があるか確認をしてください。
・自分の考えを相手に伝えようとする力があるか
・想定外の質問に対してもその場で回答を考えることができるか

逆に主体性がない人は
「指示待ち」タイプということになるので判断を誰かに求めたり、誰かの考えをそのまま受け入れてしまう傾向にあります。

◎既存社員は2つの要因に着目する
・仕事の資源
仕事の資源とは、過度な業務量や仕事に対するプレッシャーを和らげるとともに、仕事を楽しいと感じて、仕事へのモチベーションを高める要因のことです。
無理なく働けて、やりがいを感じられる環境づくりが重要です。仕事の資源が大きくなれば、その分ワークエンゲージメントは高くなります。

例えば
「1on1などで現状を把握」「仕事における裁量の付与」「上司によるフィードバックやコーチング」など

・個人の資源
個人の資源とは、仕事に対するストレスを軽減し、モチベーションや意欲を高める要因のことです。従業員が持つ自己効力感や自尊心、ポジティブな考え方などの内的要因を伸ばすとよいでしょう。

例えば
「タイムマネジメント・コミュニケーションスキルを上げる研修」「ネガティブなフィードバックを行う場合は成功のためのサポートも行う」など

企業のワークエンゲージメントが高いことで、離職率の低下や生産性の向上、顧客満足度の向上につながります。ワークエンゲージメントを高めて、人材流出の防止や長期的な人材の育成を実現して、働き手不足を解決しましょう。