企業が人材を集める方法は「中途採用」と「新卒採用」の2つがあります。
中途採用はこれまで実務を積んできた社会人、新卒採用はキャリア未経験の学生です。
それ以外にも、採用までにかかるフローや、適しているシチュエーションなどそれぞれに異なる特徴があります。今回は新卒採用、中途採用の違いについて解説していきます。

◆新卒採用

学校(四年大学、大学院、短期大学、専門学校など)を卒業してから働く人たちを一括で採用するのが新卒採用ですね。キャリア未経験で、採用した会社が初めて社会人としての勤務になります。

新卒採用のメリットは・・・
① 企業の価値観や考えが馴染みやすい
企業の価値観とは、組織を一つにまとめ、社員が正しい方向にいく動機を与えるものです。キャリア未経験であれば企業の価値観を素直に受け入れやすいです。

② 組織活性化につながる
新卒人材が入社すると社員の年齢構成のバランスが取れ、組織が活性化する点です。先輩として育成にかかわることで、先輩社員自身の成長にも貢献してくれるでしょう。

③ 研修・教育がまとめて行える
決められた入社時期にまとめて新入社員が入ってくることによって、社員研修を一度に実施でき、その後の成長過程についての評価も予め定めておいた基準に照らし合わせることで容易におこなうことが可能です。

そして、新卒採用のデメリットは・・・
① ポテンシャル採用で見極めが難しい
キャリア未経験のためポテンシャルをみて未来の活躍を見極めることになります。面接も1回で見極めることが難しく、複数回行うことが多いです。

② ミスマッチのリスクがある
学生の持つイメージと実際の職場にギャップを感じやすいため、早期離職につながりやすいです。なかには、学生と社会のギャップを、自分と会社のミスマッチだと混同してしまう場合もあります。

◆中途採用


中途採用は社会人経験がある人のことを指します。新卒採用のように毎年同じような時期・スケジュールで行われるわけではありません。欠員が出たり補充が必要になったりしたタイミングで募集が行われることが多いです。

中途採用のメリットは・・・
① 即戦力となる
社会人経験を活かして即戦力が期待できます。。中途採用では、スキルや能力、経験がある人材を求めて募集をします。業務内容や雰囲気など企業によって異なりますが、ある程度慣れてしまえばすぐに戦力となってくれることが期待できます。

② 教育コストが削減できる
社会人経験があるため、ビジネスマナーがあります。前職が同じ業界や業種なら、さらに基礎教育も不要になることもメリットといえます。新人教育は先輩や上司の力も必要になるため、その期間が短いほど指導の負担や研修費用などを抑えられます。

③ 新しい知識や手法を持っている
以前の職場で培った知識や手法を自社に展開してもらえることも、中途採用の良さです。
同業他社で活躍していた人材を獲得できれば、自社にはなかった知識やノウハウを取り込むことが可能になり、異業種の場合は、今までにない発想や発見があるかもしれません

そして中途採用のデメリットとは・・・
① 価値観のギャップを感じやすい
今までの経験とのギャップを感じやすいです。社会人経験があり、他社の価値観を経験しているため、良くも悪くも他社との比較ができます。
前職の価値観とかけ離れている場合、大きなギャップを感じることがあるでしょう。

② 業務のやり方が確立されている
社会人経験があるため、今までの自分の仕事のやり方が確立されています。そのやり方が自社と異なった場合、柔軟に対応できる人もいますが、固執してしまい対応できない人もいます。やり方についてはお互いにコミュニケーションを取りながら進めていくのがいいでしょう。

何のために採用するのかという目的を明らかにして、それに合った採用をすることが大切です。 例えば、将来を見据えて会社の成長とともに人材を育てたいと考えている場合は新卒採用。 または急ぎで事業の業績を上げたい、会社の業績を復調させたいという場合は即戦力になる中途採用が適切かもしれません。