「ゆるブラック企業」ということば知っていますか?
ブラック企業でもない、ホワイト企業でもない「ゆるブラック企業」です。
■「ゆるブラック企業」とは
「ゆるブラック企業」とは、労働環境に大きな問題はないが、仕事での成長や昇給などが見込めない企業のことを言います。
残業が少ないなど一見働きやすい要素はありますが、やりがいやスキルアップをすることが難しく「給与を得るためには働く」という状態になりがちです。
なぜこの問題を取り上げるかというと「ゆるブラック企業」は、労働環境は整っているものの、成長や昇給など物足りなさを感じる優秀な人材が離職してしまう、という結果を招くからです。
せっかく優秀な人材を採用できても離職してしまうのであれば意味がありません。
■「ゆるブラック企業」が生まれた背景
「ゆるブラック企業」が増えている背景はなんでしょうか?
・働き方改革
2019年4月から施行された働き方改革関連法案では長時間労働労働是正やダイバーシティ(人材の多様性、個性の尊重)などの内容が定められました。
残業はNG。
もちろん長時間労働はよくないですが、労働時間が減少しているのも事実です。
労働時間が減少したということは研修時間も減少し、業務量も減少し、
スキルがレベルダウンしてしまう=成長につながらない
という方々もいると思います。
・パワハラ防止法
2022年4月から適用されたパワハラ防止法(正式名称:労働施策総合推進法)では職場におけるパワーハラスメント対策やセクシャルハラスメント対策などが企業の義務になりました。
パワハラを意識するあまり指導やマネジメントが出来なくなってしまい従業員の成長が促進されない問題が出てきました。
■「ゆるブラック企業」から脱出するために
「ゆるブラック企業」は働きやすいのですが、やりがいがないのです。
そこを区別する必要があります。
・人事評価制度を見直す→成果や努力をしっかり認め給与や昇進に反映させる
・経営理念や目標を浸透させる→やりがいを持つためには理念や目標の共感が大切です。今の仕事の役割が明確になることによりモチベーションが高められます。
・研修制度の見直し→業務に関連する新しい知識や方法を学べる場を提供することも重要です。効率的な仕事の進め方やチームワークの向上に関する研修を行うことで、日々の業務に役立つスキルを身につけることが出来ます。
労働環境や人権尊重に対する意識の高まり、ブラック企業は減ってきました。
しかし、労働環境に問題はないけどやりがいを感じられない「ゆるブラック企業」が新たなに注目されています。
優秀な人材が離れてしまわないように施策を充実させていきましょう。