先日、以下のようなお問合せを頂きました。

「即戦力の方が希望なので、人材紹介エージェントへ問合せ中ですが、実際は紹介手数料が高額ゆえ、他の方法で採用ができればと考えています。でも結果、採用できなければ、事業に影響が出てしまうので、意味がありません。求人メディアも含め、なるべくコストを安く抑え、採用したい。」

今、コロナ渦の状況が続いている中では、超人手不足といわれた昨年よりは、採用がスムーズになったという声が聞かれます。

◆求人広告の状況

実際の求人広告の状況はどうでしょう?以下は、公益社団法人全国求人情報協会がリリースした主要15社からの求人広告データをまとめたものです。

【求人広告掲載件数等集計結果(2020年5月分)】


公益社団法人全国求人情報協会 ニュース・リリース 2020.6.25より抜粋

公益社団法人全国求人情報協会 ニュース・リリース 2020.6.25より抜粋

上記はあくまで求人広告の掲載件数の推移ですので、求人数にそのまま置き換えることがはできませんが、4月、5月と掲載件数が大きく落ち込んでいることがわかります。一方、転職希望者(求職者)数は、下記の表のとおり、微減程度です。

【一般職業紹介状況(令和2年5月分)】


※厚生労働省サイト※一般職業紹介状況(令和2年5月分)より抜粋

6月時点の話ですが、求人サイト活用も良い結果が得られなかった企業では、実際に応募者数が増え(1.5倍以上)、正社員が採用できたという事例が出ています。

また求人サイトによっては、各種のキャンペーンを展開しており、以前よりも広告費を抑えて掲載できる機会も広がっているのではと思われます。業界・業種、募集職種、採用したい人材の属性、勤務地などの採用条件と各求人サイトの特性を見ながら、どの程度の応募者数が期待できるか、自社の採用率と照らし合わせて、検討してみましょう。

◆費用をかけずに採用⁈

シンプルで一番の求人手法は、回りからの口コミ紹介です。口コミは相手が紹介できる方がいなければ機能しませんが、お一人でもいれば信頼度の高い人材と判断でき、採用率も高くなります。近年、社員紹介の重要度は高くなっておりますが、中小企業の皆様は、現実的には紹介人数も限られており、推進が難しいかもしれません。それでも知人やお取引先などへ紹介してもらうよう仕組み化して、積極的に活用いたしましょう。あるエンジニア採用の企業では、社員紹介ルートでの採用が50%を超える実績を上げている事例もあります。今まで消極的だったみなさんは、ぜひご検討ください。取り組んでみる価値はあります。

もうひとつは、ハローワーク。

ご存じの通り、ハローワークは、国民に安定した雇用機会を確保することを目的として設置された行政機関です。「新卒応援」「わかもの」「マザーズ」「ふるさと」など各種の専門窓口もあり、全国に約544所(出張所含む)、相談員約17,00名、1日の利用者約17万人の規模で日々、求職者の雇用支援を行っています。ただ多くの企業がハローワークへの期待度が低いのも現状です。「雇用保険受給手続き目的の方」や「年齢が高い方」「仕事経験が乏しい方」などからの応募が多いため、選考の対象とすることは難しく、かつ電話等の問合せ対応など業務量も増えるため敬遠されがちです。

2018年度の数字ですが新規求人数973.4万人に対し、就職件数は162.7万人と約17%は採用できているということです。あらためて、この結果からも中小企業にとってむしろ、より有効活用するべきメディアだと考えるべきです。求人票は出しているけど、必要事項を記入する程度から、積極的な採用活動のことや会社やお仕事の魅力、具体的なお仕事内容などを求人票へ記載し、自社の求人が注目されるような掲載するなど、できる限りの工夫をしていきましょう。

もちろんハローワークだけでなく、ハローワークインターネットサービスやindeed、Yahoo!しごと検索などの無料で掲載できる求人サイトも活用し、自社ホープページと連携しながら求人活動を行いましょう。

コストを抑えての採用は、手間がかかるかもしれませんが、トライしてみてはいかがでしょうか。