みなさん、雑談は苦手じゃないですか?
・オンライン面談前のアイスブレーク
・オンライン打合せ開始前の数分間や同席者待ちの気まずい時間
など、仮にうまく話せたとしても、気疲れしたり、薄っぺらい会話でブレークにもならなかったということはないでしょうか。
これはオフラインでも同様です。ビジネスでの相手はもちろん、義理の親戚関係、パートナーのお友達などとも、なんとなく話さなければいけない状況に遭遇します。うまく会話できていますか。
私自身に置き換えると「うまくできなかった」と反省することばかり。でも数分間の出来事なので忘れてしまおうと切り替えていました。
雑談って結構難しいですよね。誰しもできないわけではないですが、うまくできているとも思えない。
「陽気でおしゃべり」な方だから上手なわけでなく、「内気でおとなしい」方だからといってできていないわけでもありません。
なぜなら雑談は普通の会話と違うものだからです。会話は、友人などとの気楽なおしゃべりか仕事でのビジネス会話という2種類ぐらいしかバリエーションはありません。
雑談はこのいずれでもない会話です。まだ微妙な関係の方と適度にお話をして、それなりに仲良くなるというデリケートな会話です。
でも雑談なんて誰でもできるし、難しく考えていない方が多い。本題につながる盛り上がりもなく、微妙な空気のままやり取りが始まっている。
あなたがどんな人ともストレスなく雑談ができ、人付き合いが得意なタイプの方であれば、これ以降、読んでいただく必要がありません。
引き続き良いコミュニケーションをお願いします。

今以上に、会話を通じてお互いの警戒心を解き、少しでも円滑な関係を構築したい方向けに、お話を進めていきます。

1.自分から話しかける

沈黙が怖いので、やってしまいがちなのが「すぐ質問する」ことです。
「最近の勤務形態はどうですか?」などと相手に会話のきっかけを促してしまうことです。これでは雑談にはならないのです。
相手も警戒している状況で質問されても、
「週2日は出社していますね。御社は?」
「当社はまだ週1日ですね」と事実の確認だけで、会話は途切れますよね。
そうするとまた違う質問をしてしまう。これでは打ち解けにくいのです。
別にすべらない話のように落ちがあって盛り上がる話をしなければならないわけではありません(お持ちならば問題ありませんが・・・)。
プライベートでも質問ばかりされると相手はプレッシャーを感じて疎ましくなりますよね。ビジネスシーンではなおさらです。
まずはお互いに話をするきっかけは、自らのネタを提供する。面白ネタでなくてもよいですし、結論がでない話でもいいのです。
内容ではなく「続ける」ということのみを意識していくことが大切です。
では、そのネタについて考えていきましょう。

2.仲良くなりやすいテーマ

私自身、雑談は「情報交換の場」ととらえていました。
業界動向や他社状況などお互いが持つ情報を出し合う会話が、ビジネスシーンでの雑談では最適だなと思っていたのです。
でもこれは「仲良くなりにくい雑談」の典型でした。
なぜならこの雑談は、すでに情報収集という仕事モードであり、お互いの気持ちをやり取りすることができていないからなのです。
ですからプライベート関係になると、雑談に困っていたのです。当然ですね。
ここで雑談のシーンを再現してみましょう。
「最近モバイルPC買ったんですよ」
「へぇ、どこのPCですか?」
「DELLです」
「どうしてそれにしたんですか?」
「スペックが良くて安いものをとリクエストしたら、これを勧められたので」
「いいですね。買い替えるときに教えてください」
こういう雑談、ありますよね。悪いわけではありません、会話はできていますからね。
でも良い関係を築くためには、次のようなやり取りはどうでしょう?
「最近モバイルPC買ったんですが、これめちゃめちゃ軽いんですよ」
「へぇ、ちょっと持たしてください。あっ、確かに軽いですね」
「でもテレワーク用に買ったんで、ほとんど持ち運ばないんですよ。今日は初持参できて、うれしんです」
「それは良かったですね-。それだけでもアポを取ったかいがありましたね(笑)」
この2パターンの会話自体に、大した情報は含まれていません。
でも後者には、その場が和んだ雰囲気が伝わってきます。なぜ後者の方が和んだと感じるのか、これは二人が「情報」ではなく、「気持ち」をやり取りしているからです。
「軽くてうれしい」「いいなという気持ち」「人前に出せてうれしい」「良かったという思いやり」。こういう喜怒哀楽の感情を伝え合えるのが、仲良くなりやすいテーマの基本です。
気持ちを伝えると気持ちが近づくことを意識して雑談してみましょう。

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