前編では、中途採用におけるオンライン面接時の資料について「会社紹介」「業務内容説明」「キャリアアップのしくみ」の3つをご案内しました。
いずれも応募者にとって必要不可欠な情報でしたね。今回は、その後編です。

□会社のビジョン

「なぜ、この会社が存在するのか?」「社会へどのように貢献しているのか?」など会社の理念や、社会貢献について、理解してもらえると入社への後押しとなります。
もちろん前編で説明したテーマの後で結構ですし、応募者の志望意欲にも連動するテーマだと思います。自分が働くうえでのキャリアはイメージできても、会社の理念や経営戦略などに共感できなければ、不安が残ってしまいます。
同業他社などと比較しての強み弱みを知ることで、入社後に求められる自分の働き方を理解することができます。
また事業を通しての社会貢献活動を語ることで、経営の意義も共鳴してもらうことが可能です。
会社のビジョンと会社紹介は、多少重なる部分はありますが、こちらは、より詳細のデータがわかる資料があると効果的ですね。
在籍人数、従業員構成比(年齢や男女)、事業所や店舗等の地域特性や数、売上高(過去5年の推移等)、顧客数、顧客の属性、経営戦略(概要)、中長期的な目標&計画などを資料にまとめておくとよいと思います。
特に質疑応答時に関連する質問があった場合に、ご活用いただけると応募者も期待が膨らむでしょう。
※ご注意:このビジョンの説明については、冗長的になってしまうケースがあります。すべて説明するのではなく、面接時の会話の中や質疑応答の際に、適宜ご案内することを心がけましょう。

□福利厚生

新卒の面接などでもよく質問が出る福利厚生です。
福利厚生は、会社でもPRポイントにしているケースは多く、自社採用サイトなどに詳しく掲載していたりします。会社や事業内容、自分がやる仕事内容を理解したら、給与面の次に福利厚生は気になるものですよね。
もし同業他社と比較して、見劣りする部分があったとしても、一覧にまとめて持っていた方が良いと考えます。
通勤交通費、定年制、育休産休取得率、有給取得率、優遇のある施設やスクールなども含め、自社の福利厚生制度を紹介しましょう。
時には、ご自身で活用された福利厚生施設や制度なども、お話していただけると理解が進みますね。

□研修制度と人事制度

次に、あったら重宝すると思うのが研修制度や人事制度に関する資料です。
研修制度のしくみがなくOJTのみの会社も多いかもしれませんが、OJTの中身を具体的に伝えることは可能ですよね。
OJTのみの場合は、その期間や活動の具体例など、お話できればよいと思います。またどんな方から教わるのか、質問をしやすい社内環境かどうかなど、実際のOJTスタイルが理解できれば、応募者の不安は解消されやすく、承諾率は高まります。
なおOJTの場合は、資料は不要です。お話の中で、入社後も安心して働ける環境であることがアピールできれば良いと思います。もちろん研修制度が充実している会社は、アピールポイントなので資料を活用して、積極的にご案内をお願いいたします。
人事制度については原則、資料は不要です。社内規定がメインで、社外秘情報もあるからです。もちろん応募者へのアピールになる制度があれば、ぜひご紹介ください。
テレワーク環境下での就労制度など、働きやすい環境づくりのしくみについては、積極的に資料にしていただくのも良いのではないでしょうか。

以上、前編で3つ、後編でも3つの説明資料についてご案内いたしました。
これらの資料は採用担当者が用意しても、面接官が活用しないということもあるかと思います。
でも、できれば準備していただきたい。もちろん口頭で説明するのも良いでしょう。ですが、応募者にとって視覚的に確認できたほうが、理解が進み、安心感を持ちやすくなります。
常に最新版を作成していくことは、大変なご苦労を伴いますが、入社承諾につながるツールだとご理解いただき、少しでも取り組んでいただければ幸いです。チャレンジしてみましょう。