今回は、採用業務をチームで行っているみなさんへのお話です。
もちろん、採用業務をおひとりで実行されている方も参考にしていただければと思います。一般的に採用がうまく進まない担当者をマネジメントする際に、原因の特定と業務改善の優先順位の付け方が難しいと感じておられる方も多いのでないでしょうか。
伸び悩んでいる採用担当者の場合、面接力やクロージング力といった「採用」に近い能力ではなく、本人の志向性にも課題があるケースも見受けられます。
そこで、今回は採用担当者のマネジメント方法について紐解いていきたいと思います。KPIとは別に、採用担当者ごとに応じた課題を探ってみましょう。

先週、先々週と2回に分けて、採用KPIのお話をしました。
繰り返しになりますが、KPIは目標を達成するための最重要指標になるので、採用方針・採用目標によって組織の大きな方向性が決めるものです。
この水準さえ保てれば、目標に到達すると設定するものなので、KPIを守ることは非常に重要です。
ただ、KPIを設定し、そこを目標に全員が行動していても進捗は人によってバラバラです。同じ環境下で、同じルールでやっているのに、採用数の進捗が違うことが多々あります。
その原因は、各担当者の面接スキルやクロージングの問題だけではないと考えられます。その要因が採用担当者それぞれの中に多く発生していることでしょう。

個性を尊重したフォローが必要 

どの部署のお仕事でも一緒ですが、採用担当者も個々人の特性や採用に対する想いがそれぞれにあります。
個人の能力や想いは、下記のような事例があがってきます。

・多くの応募者を集めて、良い人材だけに会いたい
・できるだけ多くの人に会って、面接で判断したい
・面接時間を長くしたり同じ人と何回も会ってお互いにじっくり向き合いたい
・面接官を増やし、より多面的な評価で採用していきたい
・面接後の感想や意思確認が明確にならないと内定を出したがらない
(内定辞退を避けたい気持ちが強い)
・内定を出してからのフォローや説得に自信がある
・入社後のフォローを手厚くして、離職防止に注力していきたい
・入社後は配属部署に任せ、評価のフィードバックで採用改善していきたい

それぞれの採用担当者に「採用という仕事への意欲」「こういう人材を採用したい」「入社後、エースのように活躍してほしい」という想いがあり、どれも素晴らしいと思います。
みなさんも、上記の中に共感するものがあるのではないでしょうか。
もちろんKGIやKPIから外れていれば再検討が必要ですが、各自の価値観を尊重しつつ、個々のフォローを行っていくことも大切だと思います。

担当者の個人差は当たり前

採用担当者にそれぞれの得意分野があるように、不得手な部分もあります。
以下にいくつかのパターンをご紹介します。

・報連相がアバウトで、応募者への対応漏れが発生する
・事務処理が苦手で、必要書類の提出が遅い
・自己判断で、仕事の優先順位を決めてしまう
・自分のペースで面接予定を入れる
・応募者の都合の良いことばかりを伝えてしまい、入社後のトラブルが目立つ
・面接時に相手の課題を指摘しすぎて辞退になる
・応募者の意思優先というスタンスでクロージングを怠る
・返事がない、何回も面接日程を変えるといった応募者はやる気がないと決めつけ、放置してしまう

採用担当者は応募から入社まで、ほぼすべてを担当することが多いですよね。
その工程の中では不得手な業務があるのもわかります。
その課題が大きければ、採用数は伸び悩みのも当然の結果かもしれません。
但し、実際に不得手な内容を見ると克服もそう難しくないように思われます。
例えば、応募者への対応漏れやマイペースな仕事のやり方などの改善は、メンバーや上司を含め、丁寧にフォローしていくだけでも改善につながると思います。もちろんひとつの課題だけでなく、複合的な方もいますし、素直に聞いてくれる方ばかりでもありませんよね。
組織ですから、様々な個性があって、そのベクトルが一つの方向へ向けて、みなさんで進んでいけるよう力を合わせることが必要です。
そのためにもマネジメント力を身に付けていく必要があります。
採用業務だけでなく、社内の様々な部署で活躍していくためにも、部下や他のメンバーの課題も把握しつつ、一緒に解決していく技量を身に付けていきましょう。