面接対策(基礎編)では、面接へ臨むためのポイントをご紹介させて頂きました。今回は、面接での質疑応答の本音について迫りたいと思います。

質問の意図と狙いを知る

応募者のみなさんは、その職歴やご経験の内容も様々です。基礎編でも触れましたが、面接官は、提出された履歴書・職務経歴書をもとに、基本的な質問事項と共に、気になる点や説明してほしい事柄を質問に反映していきます。
ですからその質問には、意図や狙いがあるわけですから、それらを少しでも察することができれば、正しい答えを見つけやすくなるかもしれません。
面接では、面接官も限られた時間で多くの方と面接する必要があります。当然ですが、その評価方法は会社として統一されており、だいたいは以下の分類に分かれています。
①「人物評価」身だしなみ・マナー・コミュニケーション力・志望意欲などが含まれます
②「実績・業績評価」これまでの経験内容や実績、技能やスキルを確認、募集業務への適性を確認します
③「会社や組織へのマッチング評価」就業条件や組織との適応度合いを確認します
企業によっては、それぞれ独自の評価シートに記載し、複数の面接官の採点や評価コメントにより採否を決めていきます。
例え辛辣な質問でもフランクな問いかけでもすべては評価のいずれかを判断するために聞いているのです。
ゆえに質問の意図やねらいを理解しておくことは、面接に役立つポイントですね。以下のいくつか事例を挙げていきますので、確認してみてください。

雑談的な質問

「暑い中、お越しいただきありがとうございます。外はどうでしたか?」 面接官が挨拶代わりにする質問は、軽い話題で、ご来社いただいた感謝を添えた質問をすることがあります。
これはみなさんの緊張を解きほぐし、スムーズな会話を望んでいるからですが、そこでは日常のビジネスシーンでも初対面の方への対応力や社会人マナーを測っていますのでご注意ください。
暑い中、移動してきて面接に臨む準備をどのように行ってきたのか、またそれをもとにスムーズで表情豊かな会話ができる方なのかなどを見ていますので、気を抜かず望んでください。
また「最後に何か質問はありますか?」一通りの質疑応答が終わると出てくる質問ですね。まあ面接終了のサインのようなものです。気を付けたいのは、何かを質問しないと意欲が疑われるという風説があることです。
当たり前ですが、終了のサインですので、その内容次第では逆にマイナス点がついてしまうこと。待遇や残業など、すでに会話した内容を蒸し返すような質問をしてしまうと、その点へのこだわりを懸念させることになります。
さらに面接官自身の仕事のやりがいや会社の良い点・悪い点など、タイミングの悪い質問をしてしまうことも注意しましょう(希望があれば面接の中盤で確認するべき)。
今後の選考や結果連絡の時期や方法など、それまでに説明がなければ最後に確認しておくとよいでしょう。特に質問がない場合は、時間を割いてくれた面接官へ感謝を伝えましょう。

3大質問

まずは「志望動機」。これは定番の質問ですね。
「仕事内容も応募条件も似たような求人が多くあるなかで、なぜ当社なのか?」を尋ねています。
これに対して明確に説明できないと、中途半端な意欲と判断されてしまいます。「御社の商品やサービスの利用者で、愛用している」ではNGですね。「ありがとうございます。」と言ってはもらえますが、「なぜか?」という説明が必要です。
また「自分の経験を生かせる」場合も、どのような経験をどんな場面で活躍できるのか具体的にお話しされることでアピールポイントになります。同じように事業内容や経営理念、成長性も、みなさんより会社への理解度が段違いにある面接官に対し、自分なりに研究したことを踏まえてしっかり伝えることが重要です。

次に「転職理由」です。
この質問の目的は、長期勤続できる人かどうかということです。みなさんの行動特性から、どの程度のことが転職を考える要素になったのかを確認する狙いがあります。また同時に仕事や職場への期待を探り、自社とのマッチング度を測っているのです。よく言われる上司のやり方や会社の経営方針への批判、残業などの待遇面の不満、人間関係のトラブルなどは非常に危険だと考えてください。
実際にはよくある理由ですが、どの会社にも似たような状況があると思ってください。面接官にとって自社の状況がみなさんの許容できる範囲内かどうか判断しにくいのが実情です。
またステップアップのためという理由も、突っ込みどころ満載です。これは前職にはなかった応募先企業の特性にふれ、それを介してステップアップしたいことをしっかり伝えることがポイントですね。でないと、前職でステップアップできなかった人と低評価に思われてしまうかもしれません。

3つ目は「前職の経験」です。
実際に行ってきた具体的な仕事内容を説明してもらい、みなさんが自社の即戦力になるかどうかを測るための質問です。
これは経験年数が長い方やご経験が多岐にわたる方は注意してください。ご説明が冗長的になりがちで、自社とのマッチングがわかりづらくなるからです。
あくまで応募先で役立つと思われる実務経験やスキルに焦点を当てて、簡素で具体的にお話しください。また自ら経験不足と思われる場合は、それを補う知識や適性をプラスして説明できるよう準備していきましょう。

「志望動機」「転職理由」「前職の経験」は、面接での定番質問ですし、選考の中核となるものです。
面接官は、この質問でみなさんとのマッチングを確認できるため、その回答が採用に大きく影響します。
いろいろな角度からこの3つを確認していきますので、準備して臨まないとつじつまが合わなくなる恐れがあります。
応募先ごとに伝えるべき内容と具体的なコメントなどを書き出してみる。「他社と違う会社の魅力」や「御社だから可能な仕事や将来目標」などをしっかり考えて、回答の要点を書き留めておきましょう。
以上、今回は面接対策(実践編)でした。お読みいただき、ありがとうございました。