前回に引き続き「部下ができた人へ~シンプル・マネジメントのすすめ②」です。今回も新しく部下や後輩ができる人、また現在も部下がいるがもう一度、自分のマネジメントを見直してみようかなと思っている人向けのコラムです。

■部下と話す時間を作る

ここではコミュニケーション・スキルの話ではありません。
たしかにスキルも大切です。
でもその前に重要なことは、部下と会話する時間を持つことです。
当たり前のことで、何言ってんだ!と思われるかもしれませんが、なかなか話す時間が取れない、何かきっかけがないとコンタクトしづらいというのが現状ではないでしょうか。
そのためには、3~5分で良いので、部下のために時間を作る。
何かのついでではなく、その人と話すという目的をもって作ることです。
話の内容とかは、あとで構いません。会話は必然的に起こりますから、まずは時間をとることです。
そしてその時間を作ることが、相手への期待というメッセージを送ることになるのです。情報共有とか伝達ではなく、相手を認め理解しようとすること、そのものが目的なのです。

■テレワーク中なら電話でも良い

オフィスにいるのなら、廊下でも相手の机の横でもソーシャルディスタンスを取りながら話をする。
もちろんテレワーク中なら電話でもOKです。
もう一つの大切なポイントは、仕事の動きを止めないこと。
業務の流れに沿って、今その場で、目の前で起こっていることについて話すこと、お互いに見て、聞いてわかることをテーマにすると良いです。
とにかく毎日、実践してみましょう。

■考える時間を作る

部下が助言を求めている時をキャッチするためには、日々の業務内容やその進捗状況を知っていることが前提となります。
このときに、お互いの信頼関係が築かれていれば、なお良いですね。
そのためには普段から部下について考える時間が必要です。

・今、必要としているスキルは? 
・強みは? 
・どんな能力がある? 
・今の仕事を選んだ動機は? 
・今、どういう状態? 
・力を発揮する点は? 

部下のことを考えるのは、その人のプロファイルを作成するようなもの。
人事評価の時だけ深く考えるのではなく、日々アップデートできるので良い訓練にもなりますね。
もう少し具体的に部下について知りたいなと思うことを言葉にして自分自身に問いかけてみるのも良いでしょう。

・この会社には入って何年? 
・同期は誰? 
・これまでどんな仕事を? 
・テンションが上がることは何だろう? 
・誰と会話していることが多いのだろう? 
・ストレス解消法は何だろう? 

もちろん、答えは本人に聞いてみないとわかりません。
だから聞いてみるのです。
質疑応答のインタビューではないので、聞いている間にいろいろと話は発展していき、仕事のことや今考えていることなどを聞くことができると思います。
質問のリストを作っても良いと思います。
わからないことを聞いてみたいという動機づけになれば、質問リストを作る価値はありますね。
そしてさらに、同じことを自分へも問いかけると、新しい視点を得られるかもしれません。
同じ問いを共有することで、お互い対等な立場で会話が可能になるのです。
今回はここまです。次回をお楽しみに。