先週に続き、雑談のお話です。雑談スキルのレベルアップに必要な取り組みについてお話ししましたね。
1.自分から話しかける
2.仲良くなりやすいテーマ
までが前週です。未読の方は、ぜひそちらからお読みください。
今回は後編です。

3.経験したことを話す

次は3つ目の取り組みです。雑談のきっかけとして、その日のニュースネタやトレンドネタを持ち出すこと、ありますよね。
話の取っ掛かりとしてだれもが知っていることを、話したくなるものです。
しかしこれも、情報ネタ。そこには気持ちのやり取りはなく、当たり障りのないやり取りのみとなり、ラリーは続きません。
例えば,
「昨日のゲリラ豪雨はすごかったですねぇ」
「私は丁度、外出中だったので大変でした」
「そうですか。お互い、気を付けましょう」
「はい、ありがとうございます・・・」
「・・・」
無理に気持ちを伝えようとしても、上っ面です。
以下のような会話ならどうでしょう。
「昨日のゲリラ豪雨すごかったですねぇ。会社の前の道路が川みたいになっちゃいましたよ」
「私は丁度、外にいて靴もズボンもビチャビチャになっちゃいました」
「それは大変でしたね。風邪とか大丈夫ですか?」
「そう濡れた後の冷房はヤバいですよね。遅い時間だったのでそのまま帰宅しました。すぐにお風呂へ直行です!」
「正解ですね!」
このように、ゲリラ豪雨の話題も自身の体験もあわせて話せば、身近な話になります。
前回も触れましたが、面白ネタやオチがある話である必要はありません。体験したことと、感じたことをセットで話せば、相手との距離は近くになり、関係性も良好になるのです。
雑談ネタは、自分が体験したことをテーマにしましょう。

4.聞くスタイル

次は「どう聞くか」です。決して「聞き上手」になれというわけではありません。雑談ですから、相手の話もちゃんと聞かなければなりません。
これ、結構難しいと思われる方もいらっしゃるはずです。
話題に乗っかって自分の話をメインにしてしまう人って、いますよね。特におしゃべりタイプの営業マンによく見受けられます(自虐ネタです)。
一見ラリーのようですが、相手からすると自己中な人だなという印象が残ってしまい、逆に警戒されてしまいます。
また、このような雑談もありませんか。
「9月に入って、通勤電車も普通に混んできましたね」
「でも少し時間をずらせば結構、空いていますよ」
「そうですか。じゃあ少し遅く来てみようかな」
「車両内の乗る場所は、気にしていますか。換気の良い場所を選んだほうが良いですよ」
「ありがとうございます・・・」
その気はなくても相手の方の発言を否定したり、訂正したりするケースや、自分の方が知っている意識が強くアドバイスを言ってしまうケースです。
知人との普通の会話なら問題ありませんが、雑談では回避したほうが賢明です。相手と物事のとらえ方が違う、意見が違うという場合でも黙殺して話を続けることが必要です。
人は肯定されて初めて、気持ちを打ち明けることができるのです。雑談でなくても会議の場でも、否定的なコメントばかりで自分の主張を押し進める方を想像してください。敬遠されますよね。
会議は肯定だけではダメですが、雑談は肯定し続け、相手が気持ちを言いやすくなることが重要です。
相手の話を聞くときは、肯定と共感を意識しましょう。

5.適度に切り上げる

思いのほか、話が長くなってしまうケースがあります。ラリーが続くのは良いのですが、いつまでも本題に入れないのでは困ります。
特に相手が話し好きだったり、プライベートに踏み込んだ質問が多くなってきたりしたら、こちらが警戒してしまいますし、雑談だけでうんざりしてしまいます。
雑談を切り上げるコツは、これまでとは逆で、「気持ちを話さず、リアクションせず、話をまとめる」スタンスへ変えていくことが必要です。
また最後にお礼で終わらせることも大切です。
所詮は雑談ですので、仕事の話はその後に別途行うものですから、深く突っ込んだ部分までお話しする必要はありません。
関係を程よい距離でキープして、適度で終わるべきものと考えておきましょう。そして最後に「ありがとうございます」とお礼で終わらせることで、失礼のないよう雑談を切り上げること。
雑談は、適度な距離を保ちながら、お礼で終わらせることを心がけましょう。
以上、雑談スキルをアップさせる5つのポイントについて、(上・下)にわたって書かせて頂きました。
今後の雑談時に、ポイントを少しでも意識して頂けると嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!