みなさんが学んだことの中で記憶に残っていることや役に立っていること、今現在も通用していること=仕事力についての第4弾「プロフェッショナル・ビジネスマインド」編です。

■付加価値を出す

新入社員研修などでもよく言われますが、「仕事の価値を決めるのは自分ではなく、あくまでも相手」です。
相手がしてほしいと思うことを、相手が期待すること、それに応えるのが仕事になります。
自分が何をやりたいのかではなく、相手が何を欲しているのか、どうしたら満足するのかを考えなくてはいけません。
社会人は「消費者」ではなく「生産者」となるのです。いかに会社へ貢献するかと、その先の顧客の満足を考えて行動しなければなりません。
ところが会社に入っても消費者のままの人がいます。
「会社が〇〇してくれない」「会社に〇〇が足りない」
でも、あなたは会社のお客さんではありません。
お金を払っているのは、あなたではなく会社なのです。
消費者目線でいる限り、会社に対しての不満に思うところばかり目が行き、自分の期待するものと違う、ということになります。
そしてもっといい別の商品(転職先)がないかを消費者目線で探し始めます。
しかし、本来の立場は、生産者です。
会社に入ったプロとしてあなたが行うべき役割は、会社に貢献する事であり、その先にある消費者や取引先を満足させることです。
採用のお仕事での消費者や取引先というのを設定するのは難しいですよね。
今、目の前にいる応募者に満足してもらうことはもちろんですが、その方が入社後に相手となる顧客のために仕事ができるかということを見ていかなければなりません。
そしてその顧客が「価値がある」と思ってもらえるようにならなければ、自社の満足で終わってしまいます。
採用は、他人に貢献することで自己の喜びにできることが大事な素質です。
応募者、取引先、関係部署、会社の顧客や消費者など、目線が貢献すべき他社の方に向いている限り、あなたの仕事には価値があるのです。

■スピードと質を両立する

「時間をかけないといいものはできない」
「質の高いものにするには、なるべく多くの時間を使うことだ」
これらは常識としていろいろなところで聞く話です。
でも実際はどうでしょうか?
むしろ、早い段階でたたき台を出して、それを改良していくサイクルを早く回すほうが、短時間に質の高いものができあがります。
私もそうだったのですが、資料作りの体裁のところに大幅な時間をかけてしまっていました。
カッコよく見やすい資料を作って、認められたかったんでしょうね。
でも資料で大事なのは中身です。
本質的なところができていないのに、そんなところに時間をかけて、中身が貧弱では話になりません。
時間をかけて完璧なものを目指すよりも、多少汚くてもかまわないので、とにかく早く作る。出来が悪くても早く仕上げた方が良いのです。
中途半端なものを出すと怒られる、評価が下がると思われがちですが、まずはラフでも良いので答えを出してみるほうが、前に進むことができます。
そして重要なのは、その出した答えを検証するサイクルを高速で回すことです。
そのためにも、とにかくラフでいいので、大まかな答えを見つけることを最優先してください。
多くの方はチームで仕事をします。上司や同僚がいます。チームの一員としての責務は、リスクを一人で抱え込まないことです。
リスクを早めに開示することが、相手に対する思いやりなのです。
自分はできる、完璧だということを示そうと、何日もかけて100点を目指すのではなく、方向性があっているかどうかを早く確かめて、早め早めに相談する。これは「報連相」の基本でもありますね。

今回は、ここまでです。「プロフェッショナル・ビジネスマインド」編の次回は、コミットメント力について、お話させて頂きます。