公益財団法人産業雇用安定センター(ジョブ産雇、東京都江東区)は9月2日、「セカンドキャリアに関する意識」に関する調査結果を発表しました。従業員300人以上の企業に勤務するミドルシニア世代の社員は、定年後を含む今後の働き方について「まだ決めていない」と回答した人が3割を超え、最多だったことが明らかになりました。
15年以上勤務する45歳~59歳の社員を対象にした同調査では、雇用延長や転職、独立など、定年後の働き方について、多様な選択肢を模索する姿も浮かび上がりましたた。現在の会社を評価しつつも転職への不安から雇用延長を望む傾向や、定年退職希望者・未定者の中にも、条件次第で転職を検討する人が一定数いることなどが示されています。 ■転職や独立希望者の約6割が「新しい挑戦」を志向
今後の働き方に対するイメージについて、「まだ決めていない」が31.3%と最も多いです。次に「定年をもって働くのをやめたい」が22.4%、「定年後は同じ会社(グループ)で雇用延長し、そこで働くのをやめたい」が23.7%で続きます。年齢層別では50歳代後半(55歳~59歳)において、定年退職を希望する割合が、ほかの年齢層より10ポイント以上少なかったです。

転職・独立意向を持つ人に動機を聞いたところ、トップは「これまでと違う新しい仕事に取り組んでみたい」の33.6%で、特に50歳代前半では半数近くに達しました(45.2%)。次に多いのが「スキルや経験を、他社または独立で生かして活躍したい」で26.3%でした。

■雇用延長を望む理由は「スキル発揮」と「安心感」
一方、雇用延長希望者の4割以上が、「自らのスキル・経験を今の会社で生かせる」ことをその理由として挙げています(40.9%)。次に多いのが「働きやすい職場だから」の19.5%で、その割合は40歳代後半では25.8%にアップします。転職先での待遇や労働条件の悪化を懸念する割合は、定年が近い50歳代後半でぐっと高くなる傾向が見られます(17.9%)。

■働き方に迷う層や定年退職希望者も「条件次第で」転職視野に
働き方を「まだ決めていない」人の4割以上、定年退職希望者の24.8%が、条件次第では、中小企業やNPOでのセカンドキャリアに前向きであることがわかりました。雇用延長希望者では、その割合は約半数に達します。
そこで、転職・独立希望者と、中小企業・NPO挑戦に前向きな人に、企業に求める支援策を複数回答で聞いたところ、25.4%が「具体的な転職先の紹介、出向を利用した転職支援などの制度」を望んでいることがわかりました。ライフセミナーや転職事例などの情報提供、スキルアップ支援を求める人もいます。また別の質問では、過半数が、転職先などで「これまでの経験や知識、専門線を生かした仕事」を希望していますね。
「ミドルシニア世代のセカンドキャリアに関する意識調査」は、従業員300人以上かつ60歳定年、65歳までの継続雇用制度を有する企業に15年以上勤務する、45歳から59歳の社員を対象にウェブアンケートで実施しています。回答数900人。発表の詳細は公式リリースで確認できます。
https://www.sangyokoyo.or.jp/topics/2025/mid-senior_secondcareer_20250902.html